五の宮神社は1300年以上前に創建されたと伝えられる古い歴史をもつ神社です。五の宮神社秋祭りでは、獅子舞や御輿(みこし)の行列と共に五の宮神社から本町の天満宮まで「お下り(おくだり)」が行われ、後日本町の天満宮から五の宮神社まで「お上り(おのぼり)」が行われます。北鹿島地区の繁栄と参拝者の繁栄守護を祈願することを目的に、大変古くから続いている秋祭りです。
お下りは例年19時30分頃から始まります。19時には五の宮神社に白い法被(はっぴ)を着た人が多く集まり、お下りの開始に向けて準備を始めます。この時間帯になると、日が沈んで辺りは真っ暗です。神社の本殿から出る光と提灯の灯りだけが境内を照らしています。
本殿の中には御輿が置かれ、お下りの前にご祈祷が行われます。
19時30分を過ぎた頃に境内の外から2頭の獅子舞が登場します。獅子舞は二人一組で境内の中を激しく動きます。五の宮神社がある北鹿島地区の獅子舞は7地区ごとに違いがあり、毎年交代して奉納されるという特徴があります。そのため、同じ獅子舞は7年に一度しか見ることができず、秋祭りの中でもシャッターチャンスになります。
その後は、本殿の前で笛の演奏が行われ、20時頃になるといよいよ五の宮神社から行列が出発します。
神社の境内を出た後は直線状に道を進み、石の鳥居の横を通って国道498号線の道路に出ます。その後は肥前鹿島駅方面に向かって歩きます。北鹿島地区は市内の中でも大きい建物や道路が比較的多い地域で、車が多く走る道路わきの歩道を祭りの行列が歩く様子は不思議な感じです。
提灯や旗など様々なお祭りの道具を担ぎ、本町の天満宮に向かって歩いていきます。途中で止まっては笛を吹き、かなり遠くまで祭りの音が響きます。
秋祭りは子供から大人まで地元住民が多く参加しているので、行列はしばらく続きます。
行列の途中で黄金に輝く御輿が通り過ぎました。神輿の下をくぐると厄払いになると言われており、時折神輿が止まってその下を氏子(うじこ)さんたちがくぐります。
行列の参加者の顔を眺めていると、みんな楽しそうな笑顔をして歩いていました。全国的にこうしたお祭りは面倒に感じる人が増えて徐々に消えていくことがあるので、今回のように地元の人が楽しみながらやっているからこそ長年続いていくのでしょう。行列が本町の天満宮に到着した後は、そこで神様が2泊し、お上りとして再び五の宮神社に戻っていきます。