11月3日は文化の日です。この文化の日に合わせて毎年開催されるのが鹿島市文化祭です。文化・芸術に関する年に一度の一大イベントとして、3日間にわたり様々な展示やステージショーが行われます。会場は鹿島市役所の隣にあるエイブルと市民会館です。ここに鹿島市文化連盟の会員が日々制作した作品が集められて展示されます。
様々な分野の作品を展示
鹿島市文化祭の凄いところは、展示されている作品の種類が多岐に渡ることです。特定の分野の作品だけが展示されているわけではないので、今まで特に関心がなかった分野の文化・芸術作品も目にする機会になり、この文化祭をきっかけに興味の幅が広がります。好きなときに入退場ができて、自由に鑑賞ができます。
上の写真は熊本義泰氏の作陶展です。熊本氏は国内だけではなく海外にも作品を出品している陶芸家で、鹿島市の浜町にギャラリーがあります。
こちらは華道展の写真です。華道は植物を組み合わせて作品を構成するもので、生け花とも呼ばれます。「引き算の美学」と言われ、たくさんの花を足していくのではなく、少ない草木で豊かな空間をつくることが特徴になっています。
他にも今回の記事で紹介しきれないくらい様々な展示があったので一部の写真を紹介します。
鹿島市特産品の鹿島錦展も開催
今回の文化祭では鹿島錦展を開催していました。鹿島錦は江戸時代に鹿島藩鍋島家第9代藩主の夫人(篤子)が病気で寝込んでいるときに、ふと見上げた天井の模様に心惹かれたことが始まりです。その後、佐賀錦という名称でも呼ばれるようになり、美しい織物として全国に知れ渡りました。鹿島錦を後世に伝えるため、昭和43年に鹿島錦保存会が結成され、現在は市内で鹿島錦教室を開催しています。
鹿島錦展の目玉として、鹿島錦保存会の50周年を記念して製作された巨大な屏風が展示されていました。101歳の樋口ヨシノさんを代表に35名のメンバーで構想から5年かけて完成した作品です。鹿島錦の特徴は「網代模様(あじろもよう)」というあみ目の模様です。こちらの屏風では、網代模様をした小さい鹿島錦を大量に組み合わせて一つの巨大な網代模様を作り上げています。
他にも、鹿島錦を使った人形やバックなどの作品が展示されていました。鹿島錦は普段中々目にする機会がないので、非常に良い機会になりました。
制作者から直接話を聞けるチャンスも
鹿島市文化祭に来て驚いたのは、作品の近くに制作者が立って説明をしてくれることです。もちろん、全ての制作者がいるわけではありませんが、タイミングが良ければ制作した本人から作品の背景や制作にかかった時間などを聞けるので、より一層理解が深まります。
まとめ
今回の記事では紹介できませんでしたが、実際にはステージで詩吟(しぎん)や三味線、日本舞踊、フラダンス、コーラスなどの披露もありました。展示の種類が豊富なので、こうした芸術作品が好きな人であれば一日かけて満喫できると思います。素晴らしい作品がたくさん展示されているので、今まで興味がなくて文化や芸術に触れる機会が少ない人でも試しに行ってみる価値はあるかもしれません。