山浦千灯篭の体験レポート

山浦千灯篭とは、鹿島市の山浦地区(能古見地区の中にある一つの集落)で開催される夏祭りです。毎年午前中には神事が行われ、夕方からは面浮立の奉納、夜からは鉦(かね)浮立の奉納が行われます。面浮立には、神の使いになった鬼が様々な災いを取り除き、豊作祈願や家内安全などの願いが込められています。

山浦地区の田んぼや山々

山浦地区は、上の写真のように田んぼや山が広がる自然豊かな地域です。

山浦天満宮

面浮立の奉納が行われるのは、この田園風景の中にある山浦分校跡地の広場です。広場の隣には上の写真の「山浦天満宮」があり、この神社に向けて面浮立が奉納されます。

山浦千灯篭のカメラマン

16時頃になると山浦分校の跡地に鬼の面をつけた人が集まってきました。開始時刻の前から、ケーブルテレビや多くの写真家がカメラを構えています。中には県外から写真撮影に来ているほどの隠れた撮影スポットです。

山浦千灯篭の面浮立

面浮立では鬼の面をつけた人に目がいきがちですが、実は様々な出演者で成り立っています。後ろの華やかな浴衣を着た女性は「かねうち」と呼ばれ、鉦を鳴らしています。他にも、笛を吹く担当や大太鼓を打つ担当、全体の指揮をとる担当がいます。

山浦千灯篭の面浮立

笛や太鼓の心地よい音楽を聞きながら、勇壮な鬼の踊りを眺めます。面浮立には複数の曲目があり、踊りの内容も異なります。手を広げたり足を上げて体を大きく動かしながら踊る姿は、誰もが目を奪われるほどの迫力があります。

面浮立のけんか

こちらは地元の人の間で「けんか」と呼ばれる踊りです。二人の鬼が向かい合ってお互いを見下ろす様子からは、鬼の本来の凄みを感じられます。

山浦千灯篭の面浮立

山浦地区の面浮立の特徴は、観客との距離が非常に近いことです。鬼が目の前に前進してくるので、時折ぶつかるのではないかと不安になるほどです。その分、至近距離から迫力のある写真を撮ることが可能です。30分ほど面浮立の踊りが披露され、最後には拍手が湧き起こりました。

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