鹿島市は酒造りが盛んなまちです。肥前浜宿のエリアを中心として、市内には現在も醸造を続けている酒蔵が6つあります。そのため、お酒に関係するイベントが数多くあり、特に春に開催される「酒蔵ツーリズム」は毎年数万人の観光客が訪れる一大イベントになっています。そして、酒蔵ツーリズムの秋のイベントとして始まったのが「鹿島はしご酒」になります。
場所は鹿島市の中心市街地です。参加者は、まず最初にインフォメーションで受付を行います。事前に前売り券を購入していない人は、ここで当日券を購入します。
受付をすると、先着順で「オリジナルお猪口」がもらえます。お酒を飲むときには、このお猪口に注ぎます。
オリジナルお猪口を片手に、マップを見ながら好きな店舗に歩いて向かいます。今回は「家督屋」という老舗の食事処に訪問しました。
店舗に訪問したら、忘れずにスタンプを押してもらいましょう。お店をはしごしてスタンプを集めると、最後に抽選会に参加することができます。
鹿島はしご酒のイベントでは、市内の10店舗前後の飲食店にそれぞれ異なる酒蔵がコラボしています。家督屋では「天山(小城市)」という酒蔵の日本酒を提供していました。複数の種類の日本酒があるので、蔵人からおすすめを聞いて選び、必要枚数のチケットと交換します。
オリジナルお猪口にお酒を注いでもらいます。今回選んだのは季節限定の「サファイア」というお酒で、フレッシュな味が特徴です。
それぞれの飲食店では、通常メニューの他に、コラボしている酒蔵の日本酒に合う特別料理を用意しています。上の写真は、家督屋の名物「鯉のあらい」です。鹿島市でとれた鯉の刺身に、酢味噌や柚子こしょうをつけて食べます。なお、料理や他の飲み物は現金で支払います。
必ずしもはしごする必要はなく、その飲食店やお酒を気に入れば一つの店で時間をかけて飲み比べるのもありでしょう。はしごをする場合には、歩いてすぐに行けるほど店舗が密集しているので、はしご酒のはたを目印に次のお店を探します。上の写真は「MIYATSU382」というお店で、「東一(嬉野市)」という日本酒とコラボしていました。
注文した料理は「佐賀牛ローストビーフ」です。時間をかけて一から手作りしているそうで、このお店の人気メニューになっています。そして、ワインのような味でローストビーフに合うと蔵人からおすすめされたのが「東一特別純米酒」です。肉厚で旨みが詰まっているローストビーフをつまみに、美味しい日本酒を飲むのは最高の時間です。
飲食店によってお店の雰囲気が全く異なる
年によって参加する飲食店は変わりますが、座敷に上がって飲む店もあれば、立ち飲みの居酒屋、おしゃれなバーもあります。事前にリサーチして気になったお店に行くのも良いし、はしご酒の店を順番に回って違いを楽しむのもありでしょう。参加者は3人から6人くらいのグループが多いですが、一人で楽しんでいる人もいて様々です。
綺麗な内装で入りやすい雰囲気の「MIYATSU382」。
立ち飲み居酒屋で初対面の人同士の会話が楽しめそうな「KIZUNA」。
おしゃれで素敵な空間のバー「bloom」。
蔵人とお酒の会話を楽しむ
普段居酒屋でお酒を飲むことはあっても、実際にそのお酒を造っている人の話を聞く機会は多くはありません。鹿島はしご酒では、それぞれの飲食店に蔵人が待機しているため、味や特徴、おすすめのお酒などを詳しく教えてくれます。自分の好みの味を伝えれば、それに合うお酒を紹介してくれるはずです。
鹿島はしご酒は、毎年400人前後が参加するイベントだけあって、時間帯によっては混雑します。蔵人とじっくり話したい人は、開始直後の夕方頃の方が空いているかもしれません。
米の旨みが十分にあり、佐賀認定酒に選ばれている中島酒造場の「君恩純米酒」を紹介してくれました。
佐賀県産の最高峰の酒米「山田錦」で仕込んだ贅沢なお酒、光武酒造場の「手造り純米酒光武」を紹介してくれました。
甘み、旨み、酸味のバランスが絶妙で飲みやすい峰松酒造場の「肥前浜宿純米大吟醸」を紹介してくれました。
最後はスタンプラリー抽選会
店舗を訪問するごとにスタンプをもらい、それを一定数集めると、最初に受付をしたインフォメーションで抽選会に参加できます。
景品はお酒を中心に用意しており、金賞や銀賞になるとかなり豪華になります。
みんなが見守る中、くじを引いて盛り上がっていました。
終わりに
店舗をはしごすることで様々な種類の料理やお酒を堪能できるし、前から気になっていたけれどなかなか行く機会がなかった飲食店にもこれをきっかけに行けるなど、良いことばかりのイベントです。店舗によって雰囲気は異なりますが、どのお店でも楽しそうに飲んでいる人達の姿は共通していました。JR肥前鹿島駅からは徒歩圏内で、駅前にはホテルもあるので、市外や県外から来るのもおすすめです。