琴路神社秋祭りの体験レポート

琴路神社は日・水・稲の神様を祀っており、農作物の豊作を祈る神社です。毎年11月に琴路神社で行われる秋祭りは、今年のお米が収穫できたことをお祝いします。秋祭りは2日間にわたって行われ、1日目は「おくだり」として琴路神社から新町の新宮(しんみや)神社に御輿の行列が歩き、2日目には「おのぼり」として琴路神社に行列が戻ってきます。

琴路神社でおくだりを待機する人々

1日目の15時頃に琴路神社に到着すると、本殿の中では神事が行われ、その周囲では行列に参加する人たちが待機しています。

南川獅子舞

まず最初に、赤色と緑色の2頭の獅子舞が境内に勢いよく入ってきます。この南川獅子舞は丸くて平面的な顔が特徴で、獅子面を上下左右に激しく動かします。

南川獅子舞

獅子舞に頭を噛まれると厄除けになると言われていますが、琴路神社の獅子舞は口が開かないため、参加者に覆いかぶさるような形になります。

剣使いの演舞

次に、獅子舞と同じ色をした「剣使い」が2人登場します。剣使いは天狗だと言われており、長い鼻が特徴です。

剣使いの演舞

本殿の前でお互いに向かい合い、演舞を披露します。動き自体に派手さはなく、写真撮影はしやすいです。2人の剣がぶつかるたびに観客から拍手が起こりました。

おくだりに出発する御輿

演舞を終えた獅子舞、剣使いが先におくだりに向かい、15時30分頃から男性たちが本殿の中から御輿を担ぎ出し、後に続きます。

おくだりに出発する行列

御輿の他にも、弓、提灯、太鼓、賽銭箱を持つ人、竹で地面を打ちながら進む先払いなど、それぞれが役割をもって行列になります。

琴路神社の御輿

御輿は朱色と黒色を基調としており、大人の男性が10人以上で担ぐほど立派です。

御輿くぐり

御輿は神霊が神社を出て移動するときに一時的に鎮座するためのものです。御輿を揺らすと神様の力が強くなり、その下をくぐると厄除けになって幸せになると言われています。御輿の下を往復したら、持ち運び用の賽銭箱にお金をお供えします。

琴路神社のおくだり

新宮神社を目指して、笛を吹いたり、太鼓を鳴らしながら住宅の中を行列が歩きます。

鉦浮立

時折行列が止まり、地元の人に挨拶をしたり、木づちで鉦を叩いて音を鳴らす「鉦浮立(かねぶりゅう)」という民俗芸能を披露します。

鉦浮立

おくだりに出発した後も、琴路神社の境内では鉦浮立の演奏が続いていました。

一声浮立

鉦浮立の後は、大小の太鼓を鳴らす「一声浮立(いっせいぶりゅう)」が行われました。「あい、やー、あー」というようなかけ声を出しながら、軽快なリズムで太鼓を叩きます。

琴路神社のおのぼり

2日目は12時頃からおのぼりが始まり、新宮神社から琴路神社に向かいます。そして、17時前後から琴路神社で神事が行われます。17時前に琴路神社に到着すると、境内の外には御輿が到着し、既に大勢の観客が来ていました。1日目と比べると観客の数が非常に多く、とてもにぎわっています。

鳥居を入る獅子舞と剣使い

獅子舞と剣使いが走りながら琴路神社の鳥居をくぐる瞬間は、絶好のシャッターチャンスです。大勢の観客が鳥居を囲んで集まり、カメラを構えます。

獅子舞と剣使いのお清め

境内の横を流れる水で清めた後は、1日目と同じように境内の中で獅子舞や剣使いの演舞が行われます。

獅子舞と子供たちのやりとり

子供たちが獅子舞の毛を取ろうとして追いかけられたり、剣使いが近くに寄って来て「ウォ」と低い声で驚かせたりするので、女性や子供たちが逃げ回ります。

琴路神社の馬かけ

そして、例年は2日目のみ「馬かけ」という神事が行われます。

琴路神社の馬かけ

馬かけでは琴路神社の本殿の周りを馬が走り回ります。

山浦面浮立

1日目とは異なり、「山浦面浮立(やまうらめんぶりゅう)」という民俗芸能が披露されました。17時30分から18時頃に鬼の面をつけた「かけうち」が登場し、笛や太鼓の音と共に踊ります。

山浦面浮立

面浮立は佐賀県を代表する民俗芸能で、特に鹿島市には多く残っています。鬼の面をつけて勇壮に踊る姿は珍しく、初めて見たときの衝撃は大きかったです。面浮立が終わる頃には辺りは暗くなり、観客もほとんどいなくなります。それでも、一声浮立が続き、遠くまで太鼓や笛の音、かけ声が響いていました。

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