祐徳稲荷神社御鎮座330年式年大祭の体験レポート

日本三代稲荷のひとつで地元の人から観光客まで多くの人達に愛されてきた祐徳稲荷神社が、2017年に御鎮座330年を迎えます。それに伴い、10月13日から10月15日の3日間にかけて式年大祭が開催されました。祐徳稲荷神社の境内にステージが設置され、御本殿での神事の様子が映し出され、その後巫女舞やタイ舞踊などが披露されました。また、最終日には、祐徳稲荷神社の神様につかえている狐にちなんで、狐の嫁入り行列と狐の結婚式が開催されました。ここからは、330年式年大祭で行われたイベントを紹介していきます。

ほとめき会の踊り

ほとめき会の踊り

ほとめき会は、鹿島市を盛り上げるために発足したグループで、今年で10年になります。ピンク色と水色が入った和服に身を包み、ステージの上でうちわを持ちながら鹿島音頭を披露してくれました。

祐徳稲荷神社の巫女舞

祐徳稲荷神社の巫女舞

祐徳稲荷神社の巫女さんによる舞の披露です。巫女舞は全部で14種類あるそうですが、その中で「胡蝶(こちょう)の舞」という演目を披露してくれました。踊りは非常にゆっくりした動きですが、片足を上げて前に踏み出すときに背中の羽が揺れます。後ろ向きで両手を広げると背中の羽があらわになり、まさに蝶が飛んでいる姿をイメージさせます。

タイ舞踊

タイ舞踊

祐徳稲荷神社にタイからの観光客が多いこともあり、タイの舞踊が披露されました。ステージの前には観客席が用意されていますが、そこが満員になるほどの人気ぶりです。

タイ舞踊

タイ舞踊の特徴は、優美な手の形にあります。他の動きを抑えてゆっくりと踊り、観客の注目を手に集めます。3曲のタイ舞踊が披露されたのですが、曲と共に衣装が毎回変わり、日本人には珍しい衣装も新鮮でした。踊りながら常に微笑んでいるのが印象的で、見ているだけで楽しくなり、幸せをわけてくれるような踊りでした。

不知火太鼓

不知火太鼓

大小異なる複数の太鼓で迫力のある演奏を披露してくれたのは不知火太鼓のグループです。観客に拍手を促したり、前の席に座っている人に太鼓を叩いてもらったり、観客を巻き込んだパフォーマンスでした。

不知火太鼓

力強く太鼓を叩き続けるので、大量の汗をかきながら演奏していました。その熱意が観客に伝わり、雨の中でしたが非常に盛り上がりました。

篠笛演奏

佐藤和哉さんの篠笛

2日目のステージでラストを飾ったのは、佐藤和哉さんによる篠笛(しのぶえ)の演奏です。佐藤和哉さんは佐賀県の唐津市出身で、国内外で活躍している有名な演奏者です。ステージ全体を使って移動しながら笛を吹き、一瞬にして観客の心を引き込みます。力強く見つめるようなときもあれば優しい眼差しのときもあり、曲によって表情が変わります。

佐藤和哉さんの篠笛

美しい笛のメロディーにつられて人々が集まり、最終的には多くの立ち見がでるほどでした。最後の挨拶では、「篠笛を通して日本に生まれて良かったという想いを共有していきたい」と語りました。

狐の嫁入り行列、狐の結婚式

330年式年大祭の最終日には、メインイベントである狐の嫁入り行列と狐の結婚式が行われました。新郎新婦役は市内で入籍したばかりの男女です。狐の化粧をした花嫁と行列が門前商店街を歩き、境内で待っている夫のもとへ向かいます。

狐の化粧をした美祐連の人達

当日はあいにくの大雨で、屋根のあるテントの下で狐の化粧をします。もちろん女性だけではなく、子供から大人まで、男女関係なく、みんなが狐の顔になりました。

美祐連のよさこい

狐の行列が始まる前には、「鹿島美祐連」というグループのよさこいの披露がありました。

狐の嫁入り行列

14時30分頃になると、行列が門前商店街を境内に向かって歩き始めます。この日はSNSフォトコンテストが開催され、雨にも関わらず多くのカメラマンが訪れました。

狐の嫁入り行列

狐の稚児行列に続き、白張衣装を着た人、武士の格好をした人、剣道の胴着を着た子供など、行列の中でもそれぞれ役割が分かれています。この日のために、地元の子供たちは衣装の着方や行列の歩き方など事前に一生懸命練習してきました。

狐の嫁入り行列

雨を避けるためにかっぱ代わりのビニールを頭からかぶり、行列を歩きます。

狐の嫁入り行列

こちらが花嫁さんの写真です。素敵な笑顔ですね。

狐の結婚式

門前の入り口から行列がスタートし、約1時間ほどかけて境内に到着しました。大勢の人々が見守る中で神前式が行われ、イベントは終了です。

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