浜町の歴史ある蔵の中でジャズの演奏を行う「HAMA蔵JAZZ」が開催されました。
場所は「漬蔵たぞう」という漬物屋の蔵です。漬蔵たぞうは創業から100年以上が経過しており、非常に古くから使われてきた蔵になります。
蔵の中は非常に広く、この地域へ移住してきた人が半年ほどかけて掃除や整備を行い、今では音楽ライブや映画の上映会などのスペースとしても利用されています。
蔵を支える柱は木造で、ステージの左右には巨大な樽が置かれています。中には二人が入るほど大きく、昔はこの巨大な樽で漬物を作っていたそうです。都会の音楽ライブのように電子機器に囲まれたステージとは違い、何ともいえない趣があります。
蔵の中は薄暗く、ほのかな灯りが会場全体を幻想的な雰囲気で包み込みます。
漬物屋ということで、お土産として漬物の販売が行われました。演奏の休憩時間や帰りにお土産として買っている人がいました。
漬蔵たぞうの新たな名物である「百年ピクルス」も販売されました。佐賀県や九州地方でとれた野菜を手作業で漬け込み、おしゃれな瓶に詰めています。苦手な人もいるピクルスですが、百年ピクルスの場合は子供でも食べやすいようにまろやかな味になっています。
この地域の特産品はお酒です。会場わきにはお酒の販売カウンターが設置され、地元の酒蔵から取り寄せたお酒を飲みながらジャズを聴くことができます。
おつまみとしては、百年ピクルスを使ったピクルスプレートやサンドイッチなどの軽食が販売されました。
今回のイベントでは、作曲家でピアニストの松永貴志氏を招待してカルテット(4人組みの演奏)が行われました。松永貴志氏の超絶技巧なピアノソロからショーが始まります。
その後はベースとドラムが加わり、ジャズらしく明るくてテンポの速い曲で会場を盛り上げます。途中からはサックスも参加して、また違った曲調に変わります。広い蔵にジャズの音がよく響き、真剣にステージを眺める人、リズムに合わせて軽く体を動かす人、お酒がすすんでおかわりしている人など、観客のそれぞれが好きなようにジャズを楽しんでいるようでした。
曲の間のトーク。最近の出来事を面白く語り、観客をリラックスさせてくれます。
約2時間ほどの演奏があっという間に終わり、最後には自然とアンコールが始まりました。170名ほどの観客席は満員で、立ち見をしている人も。一つの曲が終わるたびに大きな拍手がわき起こり、帰りには「ピアノの演奏すごかったね」というような感想があちらこちらから聞こえてきました。