秋の季節は菊の花が見頃を迎えます。日本人にとっては古来より愛されてきた花で、桜と共に日本の国花として扱われ、五十円硬貨にも菊の模様が描かれています。江戸時代頃から仕立ての様式が発達し、観賞用の花として長く親しまれてきました。このような菊の展覧会が「菊花展」になります。
菊花展の会場は祐徳稲荷神社
菊花展の会場は祐徳稲荷神社の境内です。祐徳稲荷神社は日本三大稲荷のひとつに数えられる神社で、参拝者は年間300万人にもなります。荘厳な楼門や山の斜面に建てられた朱色の本殿など非常に立派な境内が特徴で、近年はタイやベトナムなどの海外からの観光客も多数訪れています。
神社の参道には、どこか懐かしいような風情のある門前商店街があり、たくさんのお店が軒を連ねます。お土産としては「稲荷ようかん」や「柚子胡椒」などが有名で、食事は「鯉の洗い(刺身)」や「いなり寿司」が名物です。
境内の至る所に美しい菊の花
菊の花は境内の外から展示されており、神社の駐車場から歩いていくとすぐに美しい花が目に入ります。境内の中に足を踏み入れれば、上の写真のようにさらに多くの花が展示されています。
楼門の前にも黄色い菊の花が展示され、朱色の門に美しく映えています。
神楽殿の参拝場所にも菊の花が展示されています。
芸術的な受賞作品が並びます
菊は大菊、中菊、小菊の3種類に大別され、大きさや花びらの形にも色々な種類があります。また、制作者の仕立て方も様々で、作品によって全く異なる見た目をみせてくれるのが魅力的です。
小菊を崖のように垂れ下がらせた「懸崖作り(けんがいづくり)」という仕立て方。とても大きくて立派な見た目です。
苔や石などを置いて盆栽仕立てにした菊もたくさんありました。
神楽殿の前には色とりどり様々な品種の花がレイアウトされていました。
こちらは半球状の「千輪仕立て」の菊です。
鹿島市だけではなく、嬉野市など周辺の市町村からも作品が出品されていました。作品の前には出品者の名前があり、受賞作品が数多く展示されています。
丹精を込めて長期間かけて育てられた菊の花は、どれも非常に美しいです。これだけ多くの花を無料で鑑賞できるのは、花好きとしてはとても嬉しいことです。
同じ時期に紅葉も見頃に
11月の中旬から下旬には紅葉が見頃を迎えます。実は祐徳稲荷神社は鹿島市でも有数の紅葉の名所です。紅葉の見頃が菊花展の開催時期と重なっているので、ぜひ一緒にご覧ください。祐徳稲荷神社の紅葉については、下記の記事で詳しく紹介しています。