ふな市のレポート

二十日正月に恵比寿様や大黒様にお供えする料理用のフナを扱う市として、鹿島市の浜町で300年以上続くふな市。この全国的にも珍しいフナを中心とした朝市は、毎年二十日正月の前日である1月19日に一日だけ開催されます。

日が昇る前の暗い早朝から始まる

ふな市の会場

夜明け前の朝6時頃からフナ市は始まり、お昼の12時頃には全てのイベントを終えて片付けが始まります。場所は肥前浜宿の酒蔵通りで、中町公民館および肥前屋という酒蔵の周辺がメイン会場となります。

早朝からフナを買いに来る人

6時に会場へ着いたところ、既にフナの業者が準備を終えて、フナを買いに来ている人もちらほら。会場でふるまわれる料理を作る人は朝の5時頃に集合していたり、フナの業者の中には朝1時に起きて4時過ぎから会場で準備をしているなど、伝統行事のふな市は多くの人の協力で成り立っています。

ふな市の様子

6時30分頃になるとにぎわい始めます。水槽の周囲には人が集まり、フナを買っている人、フナの業者と話している人、カメラで写真撮影している人など様々です。テレビ局やWebメディアに加え、会場にはカメラマンが多く、フナを専門に扱う市が全国的にも珍しいことを実感します。

ふな市の神事

7時頃になると酒蔵通りの恵比寿像の前で神事を執り行います。

ふな市を見学に来る地元の小学生

夜が明けてからは、地元の小学生が授業の一環としてふな市の見学に来ました。興味津々にフナを眺めています。

鹿島市特産品の販売

フナの他には、かまぼこや有明海の幸などの特産品を販売するお店もありました。ふな市の会場が肥前屋という酒蔵の前にあるので、ここでお土産を買うのもおすすめです。

お昼頃のふな市の様子

お昼に近づいてくるとフナを買う人は減っていき、酒蔵通りの混雑も落ち着いていきます。9時過ぎからは後述するステージイベントやお楽しみ抽選会が広場で行われるので、そちらに人が移動していきます。

フナの買い方

フナの量り売り

フナは量り売りで、業者やフナの大きさ・種類などによって値段は異なります。今回は、養殖のフナを扱っている業者が1キロあたり500円から700円、天然のフナを扱っている業者は1キロ1000円という感じでした。

フナの量り売り

「4人家族なので4匹ください」といった人から、「5キロください」、「5千円分ください」など大量に買っていく人も珍しくはありません。要望に応じて業者の人がフナを取り分けて重さを量り、値段を決定します。

フナの量り売り

最後にフナと水をビニール袋に入れたら受け渡しになります。

郷土料理ふなんこぐいの試食サービス

ふなんこぐい

恵比寿様にお供えするときは、フナをそのままお供えするのではなく、上の写真のようにフナを昆布で巻いた「ふなんこぐい」と呼ばれる料理を作ってお供えします。

ふなんこぐいの調理方法

作り方は家庭によって微妙に違いはありますが、その一例を紹介します。まずは生きたフナのうろこを取り、苦味のある肝臓だけを取り出して昆布で巻きます。食材が焦げ付かないように釜の中に割り箸を敷き詰めたら、ごぼう、フナの昆布巻き、大根の順番で入れます。味付けには醤油を使わず、地元の人が「すめ」と呼んでいる味噌を溶かしてこしたものを中心に、砂糖、みりん、日本酒を使います。味付けが一番難しいそうで、何度も味をみながら調整していきます。後は骨が柔らかくなるまで24時間ほど煮込みます。時々竹串をさして柔らかくなっていれば完成です。

ふなんこぐいの試食

ふな市の会場では、地元のお母様方が協力して2日かけて作ったふなんこぐいの試食がふるまわれます。毎年これが好評で、「骨まで柔らかい」、「昆布の旨みが染み込んでいる」と人気になっています。試食は朝の6時30分頃から始まり、なくなり次第終了になります。

ふなんこぐいの販売

フナを買って自分でふなんこぐいを作らない人や試食をして気に入った人は、会場でふなんこぐいを販売しているお店が幾つかあるので、そこで購入できます。なお、ふな市の数日前から市内のスーパーでもフナやふなんこぐいを販売していることがあります。

あめ湯のサービスと鹿島うどんが人気

あめ湯のサービス

冬の早朝は気温が低く、話している人の息は白い。そんな来場者に人気なのが地元の人が手作りした「あめ湯」のふるまいです。キザラという砂糖にお湯を加え、片栗粉と生姜汁を混ぜて温めたものです。甘くとろみがあって冷えた体が温まります。これが毎年好評で、来場者の女性が「あめ湯が美味しかったね」と話す声が聞こえてきました。

鹿島うどん

鹿島市の麺、出汁、具材を使った温かい「鹿島うどん」の販売もあります。

最後はステージイベントで盛り上がる

日本舞踊

9時30分頃になると、会場にある広場のステージで催しが行われます。華やかな和服に身を包んで踊るのは地元の踊り子です。

鹿島一声浮立

地元の共生保育園は、鹿島一声浮立という鹿島市独自の踊りを披露しました。

お楽しみ抽選会

地元の人や常連の人が待ちに待ったイベントがお楽しみ抽選会です。なぜ、そこまで楽しみにしているかというと、景品が豪華で当たりの本数が多いからです。酒蔵通りということで鍋島を始めとするお酒、5千円分の商品券、米5キロ、オーブントースター、コーヒーメーカーなど、今回は40種類近くの景品がありました。外れた場合には箱ティッシュが一つ配られました。

お楽しみ抽選会のチケット

お楽しみ抽選会のチケットは、ふな市の開催日が近くなると販売が始まり、当日にも余っていれば販売が行われます。購入した全てのチケットに住所と名前を記入し、その部分を切り取って会場の箱に入れます。抽選会ではその箱から当たりを引いて当選者の番号や名前が呼ばれるので、該当するチケットの半券と景品を交換します。

ひとき餅

イベントの最後には、当日に作ったばかりの餅を「ひとき餅」としてプレゼントが行われました。

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