春の季節の楽しみといえば桜があります。淡いピンク色の花びらは見ているだけで心が癒されます。佐賀県の鹿島市には桜の名所がいくつかありますが、その中でも屈指の規模、美しさを誇る旭ヶ岡公園の桜まつりについて過去の様子を紹介しています。
桜まつりとは
佐賀県三大桜の名所として知られる旭ヶ岡(あさひがおか)公園で行われる桜のイベントです。
そもそも旭ヶ岡公園ができた背景には桜が大きく関係しています。鹿島13代藩主である鍋島直彬が1862年に松陰神社の境内に多くの桜を植えて「衆楽園(しゅうらくえん)」と名づけ、人々に開放して桜の宴を楽しんでいました。これをきっかけにその後も桜の増殖が進んで花見客が増え、公園として整備されるようになりました。
桜まつりは桜が見頃を迎える3月下旬から4月上旬にかけて開催され、家族やカップルなど多くの人が花見に訪れます。園内にシートを敷いて花見を楽しんでいる人も多いです。
イベント期間中は食事やゲームなど様々な屋台が立ち並び、会場を盛り上げます。
桜まつりの見所
ここからは、桜まつりの会場の中でも特に美しい桜を鑑賞できる場所を紹介していきます。
赤門
旭ヶ岡公園は赤門(あかもん)を挟んで鹿島高校と隣接しています。現在の鹿島高校がある場所は、昔は鹿島城の本丸でした。正確には鹿島藩は城を持つことを許されていなかったので、城ではなく陣屋または屋敷でした。かつては鹿島城本丸の正門であり、現在は鹿島高校の校門として学生のシンボルになっている赤門ですが、一年に今だけしか見られない桜とのコラボは見ごたえがあります。
花のトンネル
鹿島城の大手門から赤門へと続く鍵型の折れ曲がった道は、当時は家臣の屋敷が立ち並んでいました。1887年にこの道の両側に桜並木が植えられ、「花のトンネル」と呼ばれるようになりました。赤門および旭ヶ岡公園まで続く長い桜のアーチは圧巻です。
松陰神社
旭ヶ岡公園の敷地内には松陰(まつかげ)神社があります。この神社には、鹿島初代藩主である鍋島忠茂から13代藩主の直彬までの歴代藩主が合祀されています。
石灯篭と桜
松陰神社の拝殿までは石灯篭が並ぶ直線の道があり、ここも桜が綺麗な場所の一つです。
池の周囲の桜
旭ヶ岡公園の池の周囲には、大きい桜の木が何本も並んでいます。広場から眺めると一段高い位置に桜の木があるので立体感があり、池や緑の葉とも相性が良いです。池の近くにはベンチが置かれており、花見をする際のベストスポットになっています。
しだれ桜
先ほど紹介した池の周囲に咲く桜の奥側にはしだれ桜があります。少し分かりにくい場所ですが、わざわざ見に行く価値があるほど美しいです。
武家屋敷通り
旭ヶ岡公園の横には武家屋敷通りがあります。ここは鹿島城の本丸の裏側であり、鹿島藩の家老であった原氏の武家屋敷が残っています。この通りの桜も美しいので、武家屋敷を眺めながらゆっくり散歩するのもおすすめです。
夜桜のライトアップ
イベント期間中の18時から22時まで、旭ヶ岡公園と花のトンネルがライトアップされます。
旭ヶ岡公園は1914年に九州初となる夜桜電飾が設置されました。それを記念して約200個の夜桜ボンボリを点灯しています。