沖の島まいり(おしまさんまいり)の体験レポート

七浦地区の集落から道の駅に複数の船が集まり、船上で浮立や皿踊りを披露するのが沖の島まいり(おしまさんまいり、納涼ふるさと七浦夏まつり)です。夜の時間帯に船の上で芸能が披露されるという非常に珍しいお祭りのため、毎年多くの見物客やカメラマンが訪れます。

千菜市

会場は道の駅鹿島(七浦海浜スポーツ公園)の広場です。隣には千菜市(せんじゃいち)という直売所があり、有明海の魚介類や地元鹿島の特産品を販売しています。イベントの日に限り営業時間を延長していることがあり、夏まつりの間に立ち寄っている人が多くいました。

面浮立

18時20分からオープニングセレモニーが始まり、その後には郷土芸能の披露や地元の子供たちによる和太鼓の演奏が行われました。上の写真は、西塩屋区の面浮立(めんぶりゅう)です。面浮立とは、佐賀県を代表する民俗芸能で、鬼の面をつけてお腹の小太鼓を叩きながら勇ましく踊るものです。ここ七浦地区の面浮立が各地に広まっていったと言われています。暑い夏の夜に、息切れをしながらも長時間踊る姿が印象的でした。

皿おどり

こちらは、「肥前鹿島皿おどり研究会」による皿おどりの披露です。片手に2枚ずつ小皿を持ち、器用に指で皿をぶつけて音を鳴らします。

皿おどりの一般参加

その後には皿おどりの一般参加がありました。大きな輪になって、思い思いに楽しく踊っていました。

七浦盆おどり大会

20時からは七浦盆おどり大会が行われました。様々な団体がステージを囲んで輪になり、七浦小唄、鹿島有明音頭、鹿島一声浮立という3種類の踊りが披露されました。

道の駅の海岸に集まるおしまさんまいりの船

21時頃になると夏まつりが終わって海岸に続々と船が集まってきます。船には色とりどりの提灯が飾られており、イルミネーションのように鮮やかに照らしています。

船上で披露される浮立や皿おどり

船上では、吊るされた鉦(かね)や太鼓を叩いたり、笛を吹いたりして浮立を披露します。中には皿おどりをしている船もあり、見比べるのも楽しいです。

浮立の競演を眺める参加者

参加者は海岸に腰を下ろして目の前で披露される演奏や踊りを眺めます。それぞれの船で鳴らされる楽器の音がミックスして、まるで昼間のようなにぎやかさです。

おしまさんまいりの船出

1時間ほど浮立を披露したら、少しずつ船が出航していきます。水面に反射した提灯の灯りが、船の動きと共にゆれて幻想的で美しいです。

おしまさんまいりの最後の一隻

とうとう最後の一つになりました。音は次第に小さくなり、辺りは暗くなっていきます。あんなににぎやかだった海岸に夜の静けさが戻り、何だか寂しい気持ちになります。また来年も来たいと思える素敵なイベントでした。

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