道の駅鹿島は、全国的にも珍しい体験ができる道の駅として人気の観光スポットになっています。この記事では、道の駅鹿島の魅力や楽しみ方を詳しく紹介します。
道の駅鹿島とは
道の駅鹿島は、佐賀県の鹿島市にある道の駅です。「有明海(ありあけかい)」に隣接していることが大きな特徴で、有明海に関する体験やお土産が充実しています。このような先駆的な取組が評価されて、国が重点的に応援する重点「道の駅」に選ばれています。
道の駅鹿島の交通アクセス
まずは、道の駅鹿島の地図と行き方を説明します。
車
道の駅鹿島は佐賀県と長崎県を結ぶ国道207号沿いにあります。敷地内には広い駐車場があります。
電車
電車で行く場合には「肥前七浦」駅が最寄り駅で、そこからは徒歩で約8分です。肥前七浦駅は木造で風情のある駅舎です。電車の本数は少ないので事前に行き帰りの時刻を調べてください。
バス
「肥前鹿島」駅前の「鹿島バスセンター」から「太良線 竹崎港行き」の祐徳バスに乗車し、「道の駅鹿島前」バス停で下車します。バスの乗車時間は約15分です。バスを降りたら道の駅鹿島までは徒歩すぐです。バスの本数は少ないので事前に行き帰りの時刻を調べてください。
有明海とは
有明海は、佐賀、福岡、長崎、熊本の4県に囲まれた九州最大の海です。干潮と満潮を繰り返し、潮が引いた時と満ちた時の干満差は、日本一となる6~7メートルに到達します。干潮時には「干潟(ひがた)」と呼ばれる柔らかい泥の地形が現れ、その面積は日本最大になります。
多くの栄養が含まれる干潟には、ムツゴロウやシオマネキなど有明海でしか見られないような多種多様な生物が生息しています。
また、干潟に住む生物をえさとする野鳥が多く訪れます。
道の駅鹿島と有明海
道の駅鹿島の駐車場から有明海までは徒歩で約1分です。そこからは上の写真のように広大な有明海を一望できます。写真撮影にもぴったりですし、腰かけて有明海をぼんやりと眺めている観光客もいます。
有明海までは階段状になっており、干潮時にはすぐ近くに行って干潟の泥に触ることもできます。
双眼鏡を持っていけば、数多くのムツゴロウや野鳥を観察できます。なお、冬の季節はムツゴロウは泥の中にもぐっているので観察できません。
有明海は、潮の状況、時間帯、天気などによって景色が変わります。例えば、曇りの日の満潮時には、上の写真のように幻想的な雰囲気があります。一度有明海を見て気に入った方は、何度か訪れて違いを楽しんでください。
道の駅鹿島の体験プログラム
有明海を眺めるだけではなく、道の駅鹿島では有明海に関する体験プログラムを受けることができます。
干潟体験
干潟体験は、有明海が干潮時のときに干潟に入る体験です。冬の干潟はとても冷たいので、4月中旬から10月頃の休日や夏休みなどに開催しています。団体様以外は事前の予約は不要で当日受付が可能です。ただし、干潟が現れる干潮時のときしか体験はできないため、事前に体験が可能な時間を調べておく必要があります。
干潟体験をするときは水着を着用し、その上に怪我防止用のTシャツを着ます。足に履く「潟タビ」は貸し出しています。
干潟体験は道の駅鹿島で非常に人気がある体験プログラムです。家族連れ、友達と、修学旅行など、様々なシーンで楽しめて、過去には本物のサンタクロースも干潟体験を行いました。
干潟体験をした後のシャワー室も完備されています。
棚じぶ漁体験
棚じぶ漁は、小屋の中から特殊な網を操作して、潮の満ち引きによって流れて来る魚介類を捕る有明海の伝統漁法です。棚じぶ漁体験では、捕れた魚を自由に持ち帰ることができます。
むつかけ体験
「むつかけ」は、干潟の上で活動するムツゴロウを捕る伝統漁法です。「潟スキー」と呼ばれる細長い板に乗って干潟の上を沈まないように移動し、釣りのように針を飛ばしてムツゴロウの体にかけて捕ります。むつかけ体験は、全国でも道の駅鹿島でしか行っていない貴重な体験です。
干潟交流館で干潟について学ぶ
道の駅鹿島の隣に、有明海の干潟に親しむための拠点として「干潟交流館」が新しくオープンしました。これから紹介する干潟交流館の設備は全て無料で楽しめます。
ミニ水族館
有明海の生物を季節替わりで展示する水族館です。
可愛くて癒される生物や珍しい魚を見ていると時間を忘れてしまいそうです。
干潟水槽
有明海の干潟に生息する生物を間近で観察できる水槽です。
タッチプール
タッチプールでは、干潟の生物を直接触ることができます。すぐ横には手を洗う場所もあるので安心です。
展望デッキ
展望デッキからは有明海を一望できます。もちろん、ここ以外の場所でも有明海は見られますが、展望デッキは他よりも高い位置にあるので見晴らしが良いです。
交流スペース
干潟交流館の中にある交流スペースの窓はガラス張りで、有明海を眺めながら椅子に座って休憩できます。
他にも、有明海のムツゴロウや野鳥などを観察できる望遠鏡、有明海について解説する学習パネルなどが交流スペースにあります。
旅行のお土産は千菜市で
道の駅鹿島の「千菜市(せんじゃいち)」というお店では、地元の野菜や果物、魚介類、お弁当やお惣菜、スイーツなどを販売しています。鹿島市の特産品も多く扱っているので、旅行のお土産をここで買うのも良いでしょう。
道の駅鹿島ならではのお土産といえば、やはり有明海の魚介類です。毎朝仕入れている魚介類は新鮮で美味しく、他では買えないような珍しいものばかりです。時期によっては、牡蠣や佐賀県太良町の名物「竹崎カニ」なども販売しています。
遠方から旅行に来ている方には、ムツゴロウやワラスボ、海老や貝など、有明海の魚介類を美味しく加工したお土産もあります。
有明海の海苔は甘くて口どけの良い極上の味として全国に知られており、道の駅鹿島では様々な種類の海苔を扱っています。
道の駅鹿島がある七浦地区は、みかん畑が広がる地域です。有明海のやさしい潮風を受けて育った七浦みかんは、甘くてジューシーな味わいが特徴です。道の駅鹿島ではその時に旬のみかんを販売しており、試食をしながら好きな品種や生産者を選ぶことができます。
また、七浦地区ではみかん狩り体験が人気です。みかん狩り体験で収穫したみかんは、その場で食べたり、持ち帰ったりすることができます。
ケーキや和菓子などのスイーツも美味しいです。中でも、道の駅特製のシフォンケーキは長い間研究を重ねて作っており、ふんわり、しっとりした食感が絶品です。
ガタッコハウスの牡蠣焼き
千菜市の隣にある「ガタッコハウス」という施設では、11月中旬~3月中旬頃に牡蠣焼き、それ以外の時期にはバーベキューを楽しめます。
ガタッコハウスの牡蠣焼きでは、テーブルと道具を借りて炭火で牡蠣を焼きます。
干満の差が激しい有明海の豊富なプランクトンで育った牡蠣は、塩分が少なくてまろやかな風味が特徴です。ガタッコハウスでは、有明海産、小長井産、佐世保産など、入荷状況によって変わる牡蠣を提供しています。
仕入れ状況によって変わりますが、サザエ、はまぐり、アワビ、竹崎カニなど牡蠣以外の魚介類、お酒やお肉などもあり、好きなものだけを選んで食べられます。
道の駅鹿島のイベント
ここからは、道の駅鹿島で行われる主なイベントを紹介します。
鹿島ガタリンピック (6月頃)
ガタリンピックは、有明海の干潟を舞台にしたスポーツの祭典です。全身泥だらけになりながら、様々な競技で競い合います。外国からの参加者も多い干潟の一大イベントです。
沖の島まいり (7月)
沖の島まいりは、大漁豊作や航海安全を祈願して、有明海の「沖ノ島」へ向けて船が出航するお祭りです。道の駅鹿島の前の有明海に複数の船が集まり、沖ノ島へ向かう前に船上で「浮立(ふりゅう)」や「皿踊り」が披露されます。
七浦大収穫祭 (11月頃)
七浦大収穫祭は、海の幸と山の幸の収穫に感謝し、五穀豊穣を祝うお祭りです。地元で収穫されたみかんや海苔、米の品評会が行われ、良質な農水産物を格安の値段で販売します。
道の駅鹿島とあわせて行きたい周辺の観光スポット
道の駅鹿島から車で約7分の場所には「肥前浜宿」という観光地があります。肥前浜宿は伝統的な白壁の建物が立ち並び、古くから酒造りが盛んな地域です。歴史的な町並みを散策しながら、お酒を飲んだり買ったりするのが肥前浜宿の楽しみ方です。
肥前浜宿から車で約7分の場所には「祐徳稲荷神社」があります。朱色で荘厳な社殿が素晴らしく、日本三大稲荷に数えられています。道の駅鹿島、肥前浜宿、祐徳稲荷神社は距離が近く、この3つを車で巡るのが鹿島市の旅行の定番コースです。
終わりに
道の駅鹿島は有明海に隣接しており、有明海を眺めたり、干潟に入ったり、有明海の魚介類を食べたりと、有明海を全身で楽しめる観光スポットになっています。鹿島市の特産品も充実しているため、旅行のお土産を買う場所としてもおすすめです。全国でもここだけでしかできない体験をして、素敵な時間を過ごしてください。